職人、ときどき神保町

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『きっと、うまくいく』

 

 

 『きっと、うまくいく』

 

 

2009年にインドで制作されたコメディー映画。友達にススめられて、DVDをツタヤで借りてみたのだ。

 

 

 

公開当時、インド映画歴代興行収入1位を記録した大ヒット映画。

 

 

きっと、うまくいく(字幕版)
 

 

最初、友人に「おもしろい映画だから観てみてー」と言われて、ただの

コメディー映画だろうと僕は思っていた。

 

しかし、観てみると面白いだけでなく、『教育問題』もテーマになっていたのだ。

 

自殺問題

 

 

日の出の勢いで躍進するインドの未来を担うエリート軍団を輩出する、超難関理系大学が舞台。

 

エンジニアを目指す天才が競い合うキャンパスで、型破りな自由人のランチョー、機械より動物好きなファルハーン、なんでも神頼みの苦学生ラジューの“三バカトリオ”が、鬼学長を激怒させ、珍騒動を巻き起こす。

 

 

しかし、鬼学長は生徒がなにか問題を起こしたり、気に食わないことがあると退学処分を生徒自身に、電話やパソコンのメールから親に申告させる。

 

 

そのせいで、自殺してしまう生徒が出てしまったのだ。

 

 

 

この動画の最後に注目してほしい。

 

寮の薄暗い部屋で、生徒が縄で首をつっている。

 

この生徒の名はジョイ。

 

勉強よりも、リモコンで操作する小型の飛行ロボットを作ることに熱中していた。

 

ある日、ジョイは新作の飛行ロボットを学長に自慢すると、その場で両親に電話されて、退学を宣告されてしまったのだ。

 

「こんなロボットがなんの役に立つんだ!」と。

 

部屋に閉じこもったジョイを見かねた主人公のランチョー。

 

ランチョーは実用性があるカメラ付きの飛行ロボットを作って、ジョイの退学を取り消そうとしたのだった。

 

 

 

しかし、完成した小型飛行ロボットをジョイの部屋に飛ばしてみると。。。。。

 

 

 

学歴競争

 

 

「退学処分を受けただけで、自殺するか?」と思ったひとはいないだろうか?

 

なぜ、自殺する生徒がでてしまったのか。

 

その根底にあるのは、カースト制度

 

 

カースト」という言葉はポルトガル語で、「血統」を意味する。

 

カースト制度によって、どこの家庭で生まれたかで、将来自分が就ける職業も決まってしまう。

 

生まれたあとには、カーストは変えられない。

 

現在のカーストは過去の生の結果だから、受け入れて今の人生を生きるしかないのだ。

 

まさに、ヒンドゥ―教の根本的世界観の「輪廻転生」観によって、社会は成り立っている。

 

 

現在でも、南部の農村部にはカースト制度の名残があって、自殺に繋がる原因にもなっているのだ。

 

この映画の登場人物である「神頼みのラジュー」も、農村部出身。

 

 

貧しい家族の期待を背負って、大学に送り出されている。

 

ラジューは学校を退学になりそうになって、飛び降り自殺しようとした一人。

 

 

カースト制度が無くなってきてはいても、それでもいい職につくには難しい。

 

 

だからこそ、出世できるような企業に入ってもらうために、息子を良い大学に進学させる。

 

 

その家族からのプレッシャーから、自殺してしまう生徒が出てきてしまったのだ。

 

 

 

「きっと、うまくいく」

 

 

この映画のキーワードでもある、「All is well」。

 

 

  

きっと、うまくいく。

 

ピンチになったときや、緊張する場面で主人公たちは「All is well」とつぶやくのだった。

 

この呪文を心の支えにして、常識を破ったり、逆境を切りぬけていく。

 

 

日本でも、常識にとらわれてしまうことがあるんじゃないだろうか?

 

 

世間の目を気にして、自分の気持ちに嘘をつくこと。

 

良い会社に入らなきゃ、結婚しなきゃとか。

 

でも自分のほんとうに、やりたいことってなんだろうか?

 

 

ひとと違うことをするには勇気が必要。

 

そんなときは、「きっと、うまくいく」と唱えると最初の一歩を踏み出せるような気がした。

 

 

この映画は「今を生きる」ことを見つめ直す、キッカケを与えてくれるはず。