職人、ときどき神保町

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社会のおやじ

 

 

今日、社長に「この仕事を辞めたい」と伝えた。

 

 

「思ったことは、言いたいときに。おれって、そんな怒るようなやつに見えるか?」

 

 

この言葉を聞いた途端、じぶんのなかで葛藤していたことが、スルスルと口から出て行ってしまったのだ。

 

 

結局、これからどうするかまでは具体的に決まらなかったけど、自分の本心を伝えることができた。

 

 

 

自分を傷つけたくない

 

 

そんな思いが根っこにあったから、行動せず、自分の意思も伝えずいた。

 

 

社長と同僚の3人で働いている会社だ。

 

 

一緒にいれば、仕事で求められることも増える。

 

 

そんなことは、最初から分かっていたはずなのに、ずっと誤魔化してきた。

 

 

 

俺はこれまで、「出来るひと」「常識を守っているひと」であることを作ることで誰からも否定されないように生きてきた。

 

 

ようするに、優等生ぶったり、いい子ぶったりすること。

 

 

そうすることで、責められることはないから楽なのだ。

 

 

この振る舞いは失敗しない代わりに、確実に何か大事なことを代償にしている。

 

 

心からの笑顔や信頼。

 

 

そして、自分の人生を生きること。

 

 

だれかの人生や他人の要求に、生きてしまう。

 

 

それは、両親、知り合い、先生、会社、もしかしたら国かもしれない。

 

 

「本当は馬鹿したいのに、誰かに見られたら嫌われるかな。」

 

 

「したいこと」よりも、「正しいか、正しくないか」で考えてしまうことが多い。

 

 

だから、知らぬ間にだれかの都合に合わせて生きていることが多いってことに、気付くべきなんだ。

 

 

自分の心の声は、いったいなんて言っているだろう?

 

 

 

社会のおやじ

 

社長は俺から、「辞めたい」と伝えてくることをずっと、待ち続けていた。

 

 

いつも、親父のように接してくれる社長が大好きだ。

 

 

レタスチャーハンの作り方、家族を大事にすること、ひととのコミュニケ―ションの仕方、仕事の考え方。

 

全部、ぜんぶが俺の心にスッと入っては、尊敬の念に代わっていった。

 

 

生きる上で大切なことは、社長から学んだ。

 

 

仕事で関わっても、しごとじゃなくても。

 

 

一生関わっていきたい、そんなひと。

 

 

「幸せってなんだろう?」

 

 

そんな弱い部分も、語ってくれる。

 

 

今日の話の最後に、「大変だけど、起伏がある人生と何も起こらないけど、平和な人生どちらがいいんだろうね?」と聞かれた。

 

 

そのときには、答えられなかったけど。

 

 

俺は、両方をつかみ取りたい。

 

 

大切なひとと時間を過ごすことを大事にして、自分の人生を漕ぎ出していく。

 

 

そんな人生を歩んでいきたい。