職人、ときどき神保町

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有給のおはなし

有給のおはなし

 

今日、仕事の休憩中に、社長とこんな話をした。

 

有給ってなんだろうね?

 

 

ぼくが「知り合いの業者さんが社員全員で、慰安旅行に行くらしい」という、会話をしたのがキッカケだった。

 

 

就活や転職のときに、「有給が取りやすい」ことは気になるポイントのひとつである。

 

 

でも、当たり前のように僕たちは「有給」って呼ぶ。

 

 

そもそも、有給ってなんだろう?

 

 

有給とは?

 

 

 

辞書には、「休んでも出勤と同様に賃金の支払われる休暇」と書いてある。

 

働かなくても、お金がもらえる制度。

 

それを聞いたら、誰もが有給をもらいたい。

 

しかし、有給を利用するには条件がある。

 

有給は採用日から数えて6か月間労働契約が継続し、その間の全労働日の8割以上出勤した労働者に対して最低10日間を与えなくてはならないのだ。

 

 

ようするに、長く企業に勤めていれば、その従業員には有給を取得する権利が得られる。

 

 

 

週所定労働日数が5日以上または週所定労働時間が30時間以上の労働者
        

 (※画像出典:厚生労働省神奈川労働局

 

 

上の図をみると、最高で20日間の有給を取れることがわかる。

 

 

 

泥水を飲んでいるひとが必ずいる

 

 

 

有給って、いいじゃん。

 

ぼくはそう思った。

 

でも、忙しい企業や少人数の会社では誰かひとりでも有給を取得すれば、その日の仕事が成り立たなくなってしまう。

 

ぼくが働いているモノづくりの従業員は2人だ。小学校からの友人と、そして社長。

 

 

1人が休みを取れば、その日の仕事がストップしてしまう。

 

 

そもそも、有給は大手の企業や中小企業でしか使えないのではないだろうか。

 

 

そのため、社員が有給を取得するには、企業自体に余裕がないといけないのだ。

 

 

資産、人材、運営の仕組み。

 

 

それが整って、やっと従業員が有給を使うことができる。

 

 

ぼくの勤め先の社長の意見はこうだ。

 

 

 

「従業員が有給を取れるようになるまでの過程に、企業の創業者や役員は必死こいて、泥水を飲むように働いていたんだよ」

 

 

 

 

ぼくは有給って、長く働けば企業に信頼されて、自動的にもらえる権利だと思っていた。

 

 

 

しかし、有給は企業からもらえるのが、当たり前じゃなかった。

 

 

じつは過去に死ぬほど頑張ってきたひと達がいたから、有給っていう制度があるんだ。

 

 

 

じゃあ、有給が取れる会社になるには?

 

 

 

社長がよく言う、この言葉が印象に残っている。

 

それは、「従業員が楽できるような働きかたをすること」

 

たとえば、サラリーマンで営業職をやっていたとしよう。

 

係長に昇進すれば、やっと営業から少し解放されると思うかもしれない。

 

でも、そうじゃなくて、新しく入ってきた従業員がストレスなく営業が出来る環境づくりのために、さらに努力をすること。

 

 

マクドナルドや車のトヨタも同じはず。

 

 

だんだん、従業員が増えて、自分の立場が昇進していったら、創業者やスタートのメンバーたちは、踏ん反り返ってあぐらをかいていただろうか。

 

 

きっと、従業員よりも必死になって、汗水たらして働いていたんじゃないかな。

 

 

 

 

僕たちは当たり前に「有給を使おう!」って言うけれど。

 

 

 有給が取れるような環境に企業を育てた、先人たちに思いを馳せることって、じつはとても大切なことなんだと思う。