『働き方』
『働き方』とは
この本の著者は、稲盛和夫さん。京セラを設立したひとだ。
働くことによって、人生において「価値のあるもの」が手に入るという。
大学4年生のときに一度、読んだことがある。
そのときには共感できることは少なかった。
むしろ、「根性論じゃないか」と反発しながら、読んでいた記憶がある。
しかし、学校を卒業して働き始めてから、読み直すと共感することが沢山あった。
なんのために働くのか?
そう感じている人に、ぜひ読んでほしい。
仕事は嫌なこと?
働くことが嫌い。
とくにいまの若者は、働くことを怖がる傾向にある。
なるべく、楽をして給料が高いところで働きたい。
そして、できるだけ仕事を早く切り上げて、自分のプライベートを確保したいと考える。
人間なのだから、楽をもとめるのは当たり前。
西洋の労働観が、日本にも浸透しているのだ。
しかし、この本にはそんな時代だからこそ、忘れてはいけないことが書いてある。
働くことが人をつくる
ほとんどの人が、1日の大半は仕事に時間を費やす。
そのなかで、仕事がうまくいかなかったこと。
上司に叱られて落ち込むことも、沢山あるかもしれない。
しかし、仕事は心を鍛える「修行の場」でもあるのだ。
壁にぶちあたったら、チャンスだと思うこと。
逆境であっても、働き続けることで、心を高めることができる。
自燃性のあるひとになる
仕事をしていると、タイプが3つに分かれるという。
①可燃性タイプ
周りのひとに、仕事のやる気スイッチを押されてがんばるひと。
②不燃性タイプ
周りがやるきを出させようとしても、がんばらないひと。
③自燃性タイプ
周りに言われる前に、がんばるひと。
この本では、③の自燃性のひとになることで仕事で成功をおさめ、人生豊かにするという。
たとえば、「今月の売り上げを伸ばす」というテーマがあったとする。
そのとき、まだ入社したばかりの若い社員であっても、
「先輩。社長が売り上げを上げることをテーマに掲げていますが、どうすれば売り上げが上がるか、みんなで話し合いましょう」
このように、いいだしっぺが「渦の中心のひと」なのだ。
だれかの発言に影響されて、渦の周囲をぐるぐる回っている可燃性のひとよりも、渦の中心となる、自燃性のひとのほうが仕事に対して、喜びを感じるという。
100メートル競走のように走れ
ずっと働いていると、「自分の人生はどうなるのだろう?」と迷うことがある。
通常なら、先を見据えて考えるのが一般的だ。
しかし、この本では反対に、目の前のことを取り組むことが重要だとしている。
人生はつまるところ、「一瞬いっしゅんの積み重ね」
いま、この1秒の集積が1日となり、その1日の積み重ねが1週間、1か月、1年、そして一生になる。
たとえば、マラソンのレースに出たとする。
遅れて参加したので、先頭集団ははるか彼方を走っている。
もう、この時点で追いつかないと分かってしまうと、やるきを無くしてしまう。
そういうときは、100メートルの競争だと思って走ってみる。
全力疾走に慣れて、継続していけばいつの間にか、先頭に追い付いたり、頑張れたりするものだ。
目標を先に見据えすぎないで、目の前のことを120パーセントでこなすこと。
また日々に必ずある、どんな小さなことでも、積極的に取り組み、問題意識を持って現状に改良と工夫をすることが大切だ。
今日は昨日より1センチだけでも、前に進んでいるだろうか?